MAC肺疾患における菌種別の免疫応答:M.avium(MAV)とM.intracellulare(MI)の違い

結核研究所の瀬戸先生による最新論文です。

Seto S, Furuuchi K, Omori S, et al. Clinical isolates of Mycobacterium avium complex reveal an M. intracellulare-associated IL-17/neutrophilic pulmonary immune program in a murine disease model. mSphere. Published online September 21, 2026. doi:10.1128/msphere.00398-26(Pubmedのページ)

MAC(非結核性抗酸菌)肺疾患の主な原因菌であるM. avium(MAV)とM. intracellulare(MI)は、現在同じ標準ガイドラインで治療されていますが、菌種ごとに宿主の免疫応答がどう異なるかは明確ではありませんでした。

瀬戸先生らの研究(2026年)では、マウス感染モデルを用いて両菌種が誘導する肺免疫応答を比較しました。

その結果、両者で共通の炎症反応が誘導される一方で、MI感染ではIL-17や好中球を中心とした炎症プログラムが優位に誘導されるのに対し、MAV感染ではIFN-γや細胞傷害性応答が相対的に高く誘導されることが明らかになりました。

この研究は、菌種による免疫応答バランスの違いがMAC肺疾患の病態の不均一性に関与している可能性を示しており、将来の病態解明や治療戦略に向けた重要な知見です。